黒うさぎルルたんの日記
黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。
時々小説形式もあったりします。
禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。
コメント頂けるとすごくうれしいです♪
2010
加筆済みです。
ルルーシュが小さくなってから、三日が経過していた。
出張から戻ってきたシュナイゼルに訊ねてみたが、彼の答えも、「疲れたからじゃないかな。ほら、ルルーシュは頑張りやさんだからね♪」という能天気なものだった。
皆にそう言われると、何となく安心はするが、心の奥底に巣くう不安が消えることはなかった。
(…なんで、ここに穴が…)
一人きりの部屋。
ルルーシュは目の前の光景に呆然とする。
お気に入りのふわふわのカーペット。ホームセンターにスザクと一緒に出かけ、二人で選んだものだ。
購入してからまだそれほどたっていない。
だから、消耗の度合いはそれほどひどくなかった。
ーーはず。
少なくとも、夕べはそうだった。
「…あ、穴が…三つも…。虫食い…?」
それにしては、大きい。
まるで、意図的に開けたような穴。
ふと見れば、爪に白い繊維が挟まっていた。
それが何を意味するのか…。
聡いルルーシュは、そこから導きだされる可能性に数秒で気づいた。
「…俺がやったのか…?」
まさか。と思いたいが、それ以外考えられなかった。
穴の大きさは直径5センチほどある。
虫喰いだとしたら…敵はとんでもなく大きな虫だ。
そんなのいてほしくないし、多分、いない。
そして、爪に残る繊維…。
穴の開き方も、あやしい。
どれも、むしったような跡なのだ。
虫がかじったものではない。
ちらと壁にかかった時計を見る。
そこに刻まれた時間を見て、ルルーシュはさらに驚愕した。
時計の針は3時をさそうとしている。
「さ、三十分もたってる…!?」
このようななりのため、ルルーシュはしばらくの間、軍のバイトは休みにしてもらっていた。
スザクも「そばについていたい」と駄々をこねたけれど、まさかそんなわけにもいかない。
今朝、元気に仕事に出かけていったスザクだったが、どうしてもルルーシュのことが心配で仕方ないらしく、今日はまめに連絡を入れてきていた。
そんなスザクとの電話での会話を終えたのが、2時半のこと。
そして、今は3時。
30分もたっているというのに、その間の記憶が、ルルーシュには全くなかった。
つまり、自分が何をしていたのか覚えていないのだ。
記憶の欠如。そして、目の前の光景。
嫌な予感がする、とても。
「…スザク、今日は夜勤なんだよな…」
スザクは、今の状態のルルーシュを置いて夜勤なんて!と抵抗したけれど、軍は慢性の人手不足。
身体が小さくなっただけで、特に体調が悪いわけでもない。そんなことのために休まないでほしい、とルルーシュがスザクにそう言ったのだ。
でも、今は、少し後悔していた。
不安で仕方ない。そばにいてもらえばよかった…。
「…いや! 俺は、皇子なんだぞ! こんなことくらいで不安になってどうするっ!」
ルルーシュはぶるぶると頭を振って、自分を奮い立たせる。
皇位継承権は上じゃないし、ルルーシュ自身、王様になるつもりなんてないけれど。
それでも、自分は常に人を引っ張って行かなければならない立場なのだ。
今は、軍でも下っ端のアルバイトだし、気楽な身だけれど。
いつ責任のある立場になるかもわからないのだ。
こんな弱気でどうする!!
常に気持ちを強く持たなければ…。
ルルーシュは必死に、そう言い聞かせた。
その時、携帯が再び着信を告げた。
もちろん、相手はスザクだ。
「もしもしっ…!」
『ルルーシュ、30分ぶりだね。元気にしてた?』
「う、うん…」
他人が聞けば、おかしな会話だが、本人たちはいたって普通だ。
よくそんなにべったりであきないね、と言われるくらい、二人はいつもべったりなので、ちょっとでも離れているのが嫌なのだ。
ルルーシュは、迷いながらも、今の状況を告げておくことにした。
「じ、実は、…スザク。その、…カーペットに…」
『ん? カーペットがどうしたの?』
「カーペットにあ、…」
言いかけたその時、ふと、自分の手を見た。
ーー見た、が。
「う、うわああああああ!!!」
『ル、ルルーシュ、どうしたの!?』
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