黒うさぎルルたんの日記
黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。
時々小説形式もあったりします。
禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。
コメント頂けるとすごくうれしいです♪
2010
ところで、うさぎはもしかしたら、声を出してなかないかもしれませんが…。
ファンタジーということで大目に見て下さいv
ファンタジーということで大目に見て下さいv
(…そんな…)
ルルーシュがルルーシュでなくなってしまった。
スザクは呆然とするしかなかった。
今のルルーシュは口もきけない。鳴き声は愛らしいうさぎの声。それは本当に可愛いけれど、スザクの好きなルルーシュの声ではなかった。
「…ルル、…そん、な…」
小さな物体を抱きしめながら、スザクはへなへなとその場にくずおれた。
今朝、「いってらっしゃい」と送り出してくれた恋人の笑顔を思い出す。
そういえば、いつもよりけだるそうだった。
どうして気づいてやれなかったのだろう。
スザクは自分を責めた。
どうして…もっと、真剣に考えてやらなかったのか。
『きっと、すぐに元通りになるよ』なんて、無責任な言葉でなだめて、彼が元に戻るための方法を模索しなかった。
(…シュナイゼル様に頼んで、妖精界に連れ帰ってもらっていたら…!)
実は、シュナイゼルからそう申し出があったのだ。
原因がわからないなら、妖精界の医者に見せた方がいいだろう、と。
ロイドは人間にしては、妖精のことを知ってはいるが、それでも完璧ではない。
だから、シュナイゼルの言葉は当然のことだったのに…。
(あの時僕は…ルルーシュと離れたくない、と思った…)
今迄だって何度か小さくなったことはあった。
でも、時間がたてば元に戻ったのだ。深刻に考えることではない。
そう高をくくっていた。
ルルーシュのことよりも、自分の感情を優先させたのだ。
そばにいてほしい。一時でも離れてほしくないと。
口に出したわけではなかった。だけど、ルルーシュはそんなスザクの気持ちを察して、
シュナイゼルの申し出を断ってくれた。
大丈夫だから、と健気に答えたルルーシュ。
それに甘えてはいけなかったのだ…。
「…ルル、ごめんよ、…ルルーシュ…」
「…きゅう、…」
なんで泣くの? とでも言うかのように、うさぎルルーシュは必死な様子で、ぺろぺろと手の甲を舐めてくる。
口もきけない、動物の姿になって、自分が一番辛いはずなのに…。
それなのに、スザクのことを思いやってくれる。
(優しすぎるよ、ルルーシュ。…僕のこと、恨んでもいいくらいなのに…)
そんなふうに優しく舐めないでほしい。
いっそ、噛み付いてもいいのだ。
スザクには慰められるだけの資格はないというのに…。
「…きゅうん…」
ルルーシュは悲しそうに再び啼いて、今度は慰めるためではなく、自分の意思を伝えるために、肌を舌でなぞった。
「わ」
「か」
「れ」
「よ」
「う」
「…ルルー、…シュ…」
別れの言葉。
信じたくない、とスザクは激しく頭を振る。
「いや、だよ、…ルルーシュ。…君と別れるなんて…っ…」
そんなこと認められるはずがない。
絶対に!
PR
プロフィール
カレンダー
リンク
カテゴリー
アーカイブ