黒うさぎルルたんの日記
黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。
時々小説形式もあったりします。
禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。
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2008
引っ越し後のお話。もう一話。
ルルたんのとんでもない勘違い(笑)
14話があまりにショックだったので、ちょっととぼけたルルたんを書いてみました。
ルルたんのとんでもない勘違い(笑)
14話があまりにショックだったので、ちょっととぼけたルルたんを書いてみました。
スザクに抱えあげられて扉をくぐるという、日本ならではの引越しのならわしを堪能し、ルルーシュは大満足だった。
スザクほどではないが、自分だって結構すごいのだ、といいところを見せたかったのは事実だが、重い荷物を持ってはいけない、というのもならわしの一つだとしたら、それは仕方ない。
嬉々として荷物を解くルルーシュは、特にベッドルームの片付けに余念がない。
その姿を横目で見ながら、スザクはほくそ笑んだ。
(…嘘に決まってるのに、全然疑わないんだもんな、ルルーシュ。本当、可愛いな)
ネットサーフィンと読書にあんなにも時間をかけているくせに、ルルーシュの知識はどこか中途半端だ。
あまりに多くの知識を吸収しようとして飽和状態になっているのか、はたまた妖精界の知識とごちゃ混ぜになっているのか。どちらが真相かは分からない。
が、ありえない嘘を真実に受け取って、素直に喜んでくれるルルーシュがかわいくてしかたなかった。
嘘だとばれたら、どんな反応を示すだろう。
ルルーシュのことだから、少しは怒るけれど…あとは、仕方ないな、といって、笑って許してくれるかもしれない。
「ルル、今日は外でごはん食べようか? 初めての引っ越しで疲れただろう?」
何やら箱の中身をごそごそといじっている背中に、そう声をかける。
かえってきた答えは、「そんなのもったいない。簡単でいいから作ればいい」と家庭の主婦のような堅実な答えだった。
以前のスザクは、収入もあまり高くなかったが、昇進を果たした今は、この部屋の家賃を払っても、かなり余裕がある。
引っ越し代は、業者に頼まず浮かせたので、外食の一回や二回、どうってことないのだが…。
「…でも、たまにはいいじゃないか。そう高いところに行こうってわけじゃないし。ルルの好きなプリンアラモードも頼んであげるよ?」
「…プ、プリンは、明日、自分で作るし…!」
最近のルルーシュは、どうやら貯金にはまっているらしかった。
家計簿をつけたり、どこをどう節約すれば、家計を黒字にできるか、とかそういうことを真剣に考えているらしい。
年末あたりに、豪華な旅行を計画しており、その費用をねん出するためなのだそうだ。
(…ありがたい話だけど、たまには息抜きしてもいいのになあ)
ルルーシュの手料理は確かにおいしい。
スザク自身も、そうレパートリーがある方ではないが、料理はまあ得意な方だ。
食生活に不満はないが、自分で作るのと、外食では、やはり気分が違うというものだ。
それに、プリンアラモードが運ばれてきた時の、ルルーシュの嬉しそうな顔は、やはり店でしか味わえないと思う。
「ねえ、ルル…」
「そんなことより、スザク、これ!」
どん、と目の前に置かれたのは、ご進物用の品だった。
引っ越しそばと…あとは、洗濯石鹸のセットだろうか。
(…へえ、すごいな。ルルーシュ。いつのまに用意してたんだろう?)
もちろん、スザクも、ご近所へのあいさつ回り用の品は用意しておいた。
簡単なタオルのセットだが。
家計簿をつけたり、引っ越しのあいさつの品を用意したりと、なんだか本当に奥さんみたいだ。
ちょっと感動する。
だが、どうやら自分たちの考えに隔たりがあるらしい、ということに、スザクはすぐに気付かされた。
「はい、これ。引っ越しそばと、洗濯石鹸のセット。これからも、ずっとそばで、末長く、よろしく」
二つの包みを、スザクに向って差し出すと、ルルーシュはぺこり、と頭を下げた。
どうやら、これらは、ご近所に配るものではなく、スザクへのあいさつの品だったらしい。
(…ええと)
この場合、やはり、真実を教えるべきだろうか。
でも。
可愛い。ものすごく可愛い。
こんな勘違いするなんて、たぶんルルーシュ以外にありえないだろうけれど、
とにかく一生懸命なところが、可愛くて仕方なかった。
それに。
(これからも、ずっとそばで、末長く…)
そう言ってくれる気持ちが、とてもうれしい。
だから、今回は、訂正はしないでおいた。
「…ありがとう。ルル。こちらこそ、これからも末長くよろしく。あ、…僕からは…」
受け取ったものを丁寧に机の上に置くと、スザクは、自分が用意したご進物の中から一つを取り出した。
「僕のは、本当に粗品なんだけど…タオルのセット。ごめんね。引っ越しそばは用意するの忘れちゃったんだ」
「え、そうなのか? …仕方ないなあ、スザクは。俺がそばについてないとダメなんだから」
そう言いながらも、ルルーシュはちょっと嬉しそうだ。
スザクは、再び、「ごめんね」と謝ると、
「ルルがくれた引っ越しそば、茹でて食べようか? それで…そのあとは…」
「そのあとは?」
ルルーシュが小首をかしげ、こちらを見た。
抱き寄せ、額にちゅっとキスをする。
「…タオルと石鹸がいっぱい必要になること、しようか?」
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