黒うさぎルルたんの日記
黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。
時々小説形式もあったりします。
禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。
コメント頂けるとすごくうれしいです♪
2010
大変なことになってしまったみたい…
「…っ…、ルルーシュっ…!!」
解錠するのもまだるこしい。気づけばスザクはドアを蹴り飛ばしていた。
その姿は、白いパイロットスーツに、手には拳銃まで所持している。
パイロットスーツは任務途中だったため(休憩時間とはいえ)。
拳銃は、もしもの場合を考え、持ってきた。
「ルルーシュ、…いないのか!?」
受話器越しに聞こえてきた、恋人のけたたましい悲鳴。
よほどのことがあったに違いない。
「大丈夫だから」とルルーシュが笑ってみせたから、つい言うことをきいてしまったけれど。
せめて、今日一日は一緒にいてやればよかったと、スザクは死ぬ程後悔した。
任務途中なのに…と追いすがるロイドには、辞表を叩き付けてきた。
仕事なんかより、ルルーシュの方が大事に決まっている。
「…ルルー、…」
玄関からリビングに続く廊下を急ぐ。
そこを隔てるドアは閉まっている。ここまでを見た限りでは、誰かと争ったような形跡はなかった。
部屋の中も、平和そのもの。
荷物が物色されたような跡もない。
この部屋で、一体何が起きたというのだろう?
(…ルルーシュがいない。…どこに行ったんだ…)
リビングにはいない。ベッドルームか?
バスルーム、トイレ。
思い当たる場所、全てを見てみるが、どこにもいない。
スザクは気が狂いそうになった。
「…ルルーシュっ…」
誰かに連れ去られてしまったのか…。一体、誰が!?
あの悲鳴。連れ去られる前には、よほど恐ろしい思いをしたに違いない。
ただではおくまい。
いっそ、八つ裂きにしてやろうか。
ぎりぎりと歯噛みし、拳を思い切り壁に叩き付けた。
ーーダンッ…!
大きな音がして、壁にぽっかりと穴があいた。
その時、「きゅうん…」という何かの鳴き声のようなものがした。
はっとして、声のした方を見ると、黒いうさぎが身体を丸めて、ぷるぷると震えていた。
瞳の色は綺麗な紫色。
そして、うさぎの座っている場所には、今朝、ルルーシュが着ていたはずの服が落ちていた。
「…うさぎ…?」
小柄なうさぎ。その子はためらいがちに、トコトコとこちらにやってくる。
きゅうん、と啼きながら、スザクの足にすり寄った。
まるで、「抱っこしろ」とでも言うかのように…。
スザクは求められるまま、そのうさぎを抱き上げた。
人慣れしているらしく、とてもおとなしい。
「…よしよし、大きな音をたてて、ごめんよ。…びっくりしたね」
「きゅうん…」
珍しい。スザクのことを嫌がらないなんて。
自慢ではないが、スザクは今迄の人生、小動物から好かれたことはゼロなのだ。
それなのに…。
うさぎはピンク色の舌を出し、手の甲をぺろぺろと舐めた。
まるで、犬みたいなことをするな…とぼんやり考えていたスザクは、うさぎの舌の動きが、まるで文字を描いているようだと、ふと気づいた。
「す」
「ざ」
「く」
(…スザク、…って…)
確かに、うさぎの舌はそう書いた。
スザクは背筋が冷たくなった。
なぜ気づかなかったのだろう。
黒い毛並み。そして、宝石のような紫色の瞳…。
それは、ルルーシュに他ならないではないか。
「…ルル、…なのかい…?」
「…きゅう、…」
うさぎールルーシュは、悲しそうに啼いた。
そうだよ、と言っているかのようだった…。
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