忍者ブログ

黒うさぎルルたんの日記

黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。 時々小説形式もあったりします。 禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。 コメント頂けるとすごくうれしいです♪

   2024

0420
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

   2008

0528
結局、ジノはどうすることになったのか?
小説としては、最終回ですが、今後ジノが出てくる可能性あり、かも??(笑)




だって、いつもろくなこと考えてないのに…と、ぽつりと付け加えられ、スザクは脱力した。
そ、そういう目で見られていたわけか??
確かに、認める。
エッチではないなんて、そんなことは言わない。
だが、たいていの男は、可愛い恋人ー一応、二人は「夫婦」と呼んでいいと思うのだがーを前にして、エッチなことを微塵も考えない男など、この世にいるのだろうか?
そんなのがいたら、教えてほしい。ぜひとも。

ぽんと肩に手をおかれる。
ジノだ。綺麗なブルーの双眸を、あやしく細め、口元には、いやな感じの微笑を浮かべている。
くふふ、と忍び笑いながら、ジノは言った。

「否定してもらえないなんて、お前ってよほどなんだな。ま、男の生理は、俺もよくわかる。安心しろ」
「…何を安心するんだ…」

大体、誰のせいで、こんな大騒ぎになっていると思っているのだ。元凶は間違いなく、他でもないジノだというのに。
はあ、とため息をつく。
ジノは、にやにやしながら、「そうか!」と、たった一人何かに納得した様子で、うんうんと頷いた。
何が、そうかなんだ。一体。

「おい、枢木。…あ〜、堅苦しいな。スザクでいいか。俺のことも、ジノって呼ばせてやるよ」

ジノは偉そうに、言った。
呼ばせてやるっていうのは、どういうことなんだ?
まあ、相手は、向こうの世界では、皇帝の騎士だし、どうやら貴族らしいし。
多少は仕方ないのかもしれないが…。
なんだか割り切れないものを感じるが。

「…それで、何が「そうか」なんだ…」

一応訊いておこう。だが、ろくなことじゃない気がする。
訊かれるのを待っていたらしく、ジノは嬉しそうに、笑った。
朗らか、というのはこういう人間を言うのだろう。
人間ではなく妖精だが…。

「いや、さ。ルルーシュ殿下とお前の絆はわりと強そうだし…皇帝陛下のご命令は、いくら何でも横暴だと思うんだよ」

だが、予想に反して、ジノは意外とまともなことを口にした。
スザクも驚いたが、ルルーシュはもっと驚いたらしい。
さっきは、ショックでウサギ耳をだしたルルーシュだったが、今度は。

「…あれ、耳、引っ込んだ」
「ショック療法って、やつだね?」

ぴょこん、と揺れていた可愛らしい耳が、瞬時に引っ込んでいた。
なんと残念な。
耳付きのルルーシュとのエッチは、結局かなわないというわけか…。

(…あ、こんなこと考えたら…また、…)

ジノに、心を読まれてしまうではないか。
一定の距離が必要、と言っていたが、これだけ近くにいれば、条件は軽くクリアしているはず…。
だが、どうやら、ジノは、自分の考えをまとめるのに夢中なのか、スザクの心を読んではいないようだった。
または、わかっても、あえて言わないようにしているだけかもしれないが…。

「…で? まだ先があるんじゃないのか?」

立ち直ったらしいルルーシュが、先を促す。ジノは、「御意」とその場に膝をついた。
悔しいが、様になっている。
さすがは、現役の騎士だ。

「私も、騎士のはしくれ。君命とはいえ、愛し合う二人を無理矢理引き離すなどと、そのような人の道に外れたことは出来ません」

ルルーシュに対しての答えだからか、ジノはいきなりあらたまった口調で言った。
人の道、というか、妖精の道では、…とちょっと突っ込みたくなったスザクである。
ジノの言葉に、ルルーシュはきらきらと瞳を輝かせた。
感動しているらしい。

「…ジノ、感謝する。お前は、…騎士道というものをちゃんと知っている男なんだな」

ルルーシュは、自分からすっと手を差し出した。
ジノがうやうやしい仕草で、その白い手をとると、手の甲にくちづけた。

「なんともったいないお言葉。このジノ、今後も騎士として、ルルーシュ殿下の婚約者候補として、精進致します」

は?

ルルーシュもスザクも、当然、ジノは、今回のことをあきらめて、妖精の国に帰るのだと思った。
だが、ジノは、全く予想外の言葉を紡ぎだした。

「…い、今、なんと…」
「ルルーシュ殿下の婚約者候補ですよ。君命により、無理矢理引き離すのではなく、正々堂々と、勝負します。人間界に残り、私の良さを殿下にわかってもらい、そして、愛してもらえるように努力したいと思います」

あいた口が塞がらないとは、まさしくこのことだ。
つまり。

「…あ、あきらめてない、…の?」

ルルーシュが、ぽつりと呟く。ジノは、さわやかな笑顔を浮かべ、「はい」と頷く。

「あきらめるはずがないじゃないですか。だって…俺、あなたに一目惚れしちゃいましたから」
「…へ?」

圧倒され、その場に立ち尽くすルルーシュの手をとり、ジノはうっとりとした顔で言った。

「可愛らしい殿下。いつまででも待ちますから、どうかあなたのおそばにおいて下さいね」

つまり、ジノは、ルルーシュのことが本気で好きになったから、実力で勝負する、と言いたいのだ。
勝負? 冗談じゃない。
何がそばにおいて下さいね、だ。そんなこと絶対許すものか!

「お…」
「じゃ、そういうことで。よろしくな、スザク! これからは、恋敵として正々堂々戦おうな」

だが、ジノの笑顔は、なぜか見るものを圧倒する勢いがあった。
さわやかな笑顔に、思わず、「ああ」と普通に返してしまってから、スザクはしまったと思った。

(な、なんで!? もしかして、魔法?)

にやり、とジノが笑う。
もしかしたら、魔法の一つかもしれない。
飛ぶようにその場を走り去ったジノを見送り、しばらくの間、放心していた二人は、ようやく我を取り戻し、顔を見合わせた。

「…なんか、とんでもないことになったね」
「…うん、でも…」

ルルーシュは、スザクのすぐ隣に立つと、頬に軽くキスをくれた。
そして、にっこりと笑う。

「俺が、スザクのことを好きなのは、変わらないんだから、いいんじゃないか。騎士になりたいって言うんkだから、せいぜいこき使ってやるんだから」

恋人からの嬉しい言葉に、笑顔を返しつつも、一抹の不安を覚えるスザクであった。
PR
Post your Comment
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
騎士最終回おめでとうございますvV
騎士最終回おめでとうございますvv
可愛い内容でとても好き好きの連載でした。
続編読みたい気持ちでいっぱいです。

ジノがKY(空気読めない)な人で爆笑です。

スザクの苦労考え・・気の毒と思いつつも、さらに笑いが・・ごめんね。スザク・・でも、ルルに愛されているからvv

と言ってしまいました。
周りに人がいなくてよかったです。

こまき様の小説はその世界に引き込まれる感じですvvv

大好きです。

桜夜 URL 2008/05/31(Sat)00:15:27 編集
Re:桜夜様v
こんばんは!
ありがとうございますv

プチ連載終了で…今後は、ジノを交えた日常編を書いていきたいなと思ってますv
もちろん、スザルルの愛は永遠ですが、たまに邪魔が入ると、燃えますよね(笑)

ジノ、かなりKYなのですが、憎めません(笑)
ルルたんも、強く出られないという、実は最強の騎士かもしれません。

ルルたんは、スザクのすべてを受け止めてますからv
エッチでもなんでも、スザクのことは何でも許せてしまう…v
愛なんですね♪
【2008/06/01 00:06】
プロフィール
HN:
ルルーシュ@森田望愛
性別:
非公開
自己紹介:
ルルーシュやスザクになりきって、好き勝手書いてます。
個人の妄想による産物なので、その点ご了承下さいね。
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カウンター
バーコード
忍者ブログ [PR]

Powered by Ninja.blog * TemplateDesign by TMP