黒うさぎルルたんの日記
黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。
時々小説形式もあったりします。
禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。
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2007
いささか疲れ気味のルルたん。
(どうして俺がこんな目に…)
ルルーシュは、目の前に山と積まれたドレスの数々を一瞥し、盛大なため息をつく。
色とりどりのイブニングドレス。
赤、青、黄色…はては、ピンクまで。
形も様々だ。
まず、最初にセシルが出してきたのは、胸元がぐんとあいたセクシーなドレスだった。
イブニングドレスといったら、このくらいの露出はないと!
というのが、セシルのいい分だ。
確かに…もしも、セシルがそのドレスを身に付けたら、男性にとってはとても目にうれしいことになるかもしれない。
だが、ここで問題となるのは…このドレスを誰が身に付けるのか、ということだった。
(少なくとも、今、ルルーシュが試着しても、少しもうれしい事態にはならないはず)
それに、わざわざストラップレスの下着を買ってこい、なんていう指令を出してきたくらいだから、おそらくは、こういう胸開きのドレスは、求めていないんじゃないかと思う。
せいぜいが、肩を露出しているデザインでは、と思うのだが…それも、背中があきすぎているのはパス。
「あら〜…ルルーシュくんって、結構服の趣味がうるさいのね。でも…それもやりがいはあるけれど」
ああでもない、こうでもない、と返すルルーシュに、セシルは余裕の微笑でそう返してきた。
女性というものは、買い物が大好きなのだと聞いたことはあったが、恐るべきバイタリティ。
試着するほうとしては、もうぼろぼろで、うんざりなのだが、セシルは、まだまだ元気がありあまっているらしい。
「…ところで、今日って、仕事はいいんですか」
ルルーシュは、訊いてみた。
いくら、シュナイゼルが手伝えといったにしても、二人もここで油をうっているんなんていかがなものだろうか。
軍とはそんなに暇なものではないはず。
「ええ、今日はもともとスザクくん、いないから。仕事も進まないし」
「…スザクがいないと…? って、どうしてですか? あいつって…別に
技術やじゃないでしょう?」
「ええ、まあ…」
セシルの受け答えが、どうもはっきりしない。
そういえば…前々から、不思議だったのだ。
(スザクって、結局のところ、軍で何の仕事してるんだ??)
スザクが所属する特派というのは、なんだかとても特殊な部署のようなのだ。
土っぽい軍隊色はあまりない気がするのだが…訓練やら何やらで、青あざをつくってくるのはしょっちゅうで…。
(ま、まさかいびられてる!? めがねのやつ、スザクのこと、パーツとかいってたし…!)
よくある、集団いじめというやつでは…!?
スザクは変に鈍感なところがあるし、気付いていないんじゃ…。
ここは、よく話し合っておかねばならないだろう。
自分は、スザクの伴侶なのだから。
スザクの心も体も、守るべき義務がある。
「…あの、セシルさん…」
だが。
「ルルーシュっ! まだこんなところにいたのかい? ちょっと買い物が長すぎるよ!?」
どん、と大きな音とともに、両手いっぱいに買い物袋を持ったシュナイゼルが入ってきた。
いつもはきれいにセットしてある髪の毛が、かすかに乱れている。
冷静は装っているようだが、ずいぶんあわてているようだ。
それだけ、スザクのことを心配してくれている、ということだろうか。
少しばかり、胸がじんときた。
「兄上…ありがとうございます、スザクのために…」
だから、ついつい素直になってしまったが、次の言葉で、素直になって損した、とルルーシュは思った。
それどころか、この兄と口をきくのはやめようかとさえ思った。
「誘拐なんて冗談じゃないよ。彼には、いつか私がとどめを刺そうと思っているのに、そんな、顔も分からない誘拐犯に渡すなんて!」
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