黒うさぎルルたんの日記
黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。
時々小説形式もあったりします。
禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。
コメント頂けるとすごくうれしいです♪
2007
結構無邪気なルルたんです(笑)
パーティは、立食形式だった。
女装させられた傷心がいまだいえないらしいロイドだったが、あるテーブルを
見た瞬間、ぱっと顔を輝かせた。
「プリン〜」
一つだけ、まるまるプリンばかりがおいてあるテーブルがあったのだ。
「ランラン」という言葉がぴったりな足取りで、テーブルに向かおうとするのを、シュナイゼルが阻む。
いや、阻むまでもなく、着物の扱いになれていないロイドは、足を裾にひっかけて、盛大に転んだのだった。
目の前でそれを見せつけられたスザクは、笑ってはもちろん失礼だし…かといって、あまりの強烈さに助け起こす気にもならず、苦笑した。
(…ロイドさんが花魁姿だったら、転ぶどころじゃすまないな)
それにしても、裾があれほど長いのに、シュナイゼルはたいしたものだと思う。
しゃなりしゃなりと、実に見事な裾さばきだ。
「ねえ、ルル…」
ふと横を見ると、ルルーシュが早くもプリンを食べており、スザクと目があうと「しまった」という顔をした。
手しているのは、パンプキンプリンだ。
「ご、ごめん。…でも、朝から何も食べてないから、おなかへっちゃって…」
「いいよ、別に。そういえば、僕もおなかへったかも」
しかし、おなかが減ったからといって、プリンに飛びつくところが、ルルーシュらしい。
ほかにも、ローストビーフとかおいしそうなものはいっぱい並んでいるのに。
「あ、じゃあ…何かとってきてやろうか?」
空腹をうったえたスザクに、ルルーシュがそんな優しい申し出をする。
ダメージはほとんどなかったのだが、一応誘拐されていたということもあり、気を使ってくれているらしい。
ルルーシュの手ずから取り分けてもらった料理というのも魅力的だが。
「ううん、後で自分でとりにいく。今は、…これがいいな」
「え、これ?」
今食べているパンプキンプリンのことをいわれたと思ったらしく、ルルーシュは少しだけいやそうな顔をした。
よほど、気に入ったらしい。
だが、スザクがほしいのは、もちろん「それ」ではない。
「そっちじゃなくて、こっち」
ちゅ、と軽く唇を奪った。
本当は、もっと深くくちづけたいが、一応は場所をわきまえたのだ。
ぺろりと唇の端をなめる。
かすかに残ったかぼちゃの甘みが口に広がった。
「…ば、ばかっ、こんなとこで…」
「おはようのキス、のお返しだよ。さっき、ルルはしてくれたけど、僕にさせてくれなかっただろう?」
「あ、あれは…急いでたから…」
白磁の頬が赤く染まる。
肩をすくめ恥じらう姿は、犯罪的なまでの愛らしさだ。
(…ここでは遠慮しようかな〜って思ったけど、もうちょっとしてもいいかなあ)
ふと、そんなことを思う。が、その前に。
「あ、ねえ、そういえば、ミレイさん…? あの人って結局何がしたかったんだろうね? パーティに招待してくれるなら、普通に招待してくれればいいのにね」
わざわざ誘拐をかたらなくても…普通に招待状を出すほうがよほど面倒ではない気がするのだが。
「俺も、あんまり話聞いてないけど、つまりは暇つぶしじゃないのか? それに、俺、パーティには出てもいいとは思うけど、普通に招待されたら、こんな格好しないし。つまりはそういうことなんじゃないのか?」
「なるほどねえ」
話題の人、ミレイは、時代劇によく出てくる大名の格好をしている。
いつ間に着替えたのだろう?
さっきは、普通の姿だったような気がしたが…。
時代劇では、お決まりのシーン「やめて下さい、お代官様!」のシーンを、ロイドを相手に再現している。
(まさかあれがやりたかっただけ…?)
そのために巻き込まれたのだろうか。
それはあまりにも…。
ひどいよね、と同意を求めようとすると、ルルーシュが瞳をきらきらさせてその光景を見ていた。
「あれ、俺もやりたい! 混ざってくる!」
「ええ? 混ざるって…?」
そういえば、軍でアルバイトをする前には、だいぶ暇を持て余していたらしく、
よく時代劇の再放送なども見ていたようだ。
実は、そんなにはまっていたとは!
「だめだよ。ルルーシュ!」
「どうして!」
確かに楽しそうだが、いくら冗談でも、自分以外の男の服を脱がすなんて冗談じゃない。
PR
プロフィール
カレンダー
リンク
カテゴリー
アーカイブ