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黒うさぎルルたんの日記

黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。 時々小説形式もあったりします。 禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。 コメント頂けるとすごくうれしいです♪

   2025

0714
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   2007

1030
目がさめると…。







頭の中にかすみがかかっている。
痛い、というよりは、なんだかひどく重く感じる。
何となく、心細くなって手をのばすと、誰かがぎゅっと手を握ってくれた。
大きな手。とてもあたたかくて、かたくてごつごつしている。

(…スザク?)

スザクの手ににている。
軍隊で訓練を重ねていたら、こんなふうになってしまったんだ、と笑っていた。
かたくて痛いよね、と不安げに訊かれたから、そんなことないというとうれしそうだった。
お世辞でもなんでもなく、スザクの手に触れられて痛いなんて思ったことなかった。
その指はいつも優しかったから…。

「…スザク、…どこ…」
「ここにいるよ、ルルーシュ」

思わず出た問いかけに誰かが答えた。
そして、ちゅっと、ほおにあたたかなものが触れる。
キス?
もしかして!

たまらなくなって、目をあけると、目の前にはスザクの顔があった。
優しく、微笑んでいる。
スザクだ!

「スザク! 無事だったんだな! 俺、…俺、心配で…」

強がっていたけど、恐くて仕方なかった。
信じていたけれど、もしも…もしも、スザクに何かあったらと思うと、いてもたってもいられなくて。
しくしくと泣きじゃくる背中を、「よしよし」といいながら、スザクがなでてくれた。
この手がなくなったら、どうしようかと思った。

「…スザク、…キス、して? スザクがちゃんと俺のそばにいるって、安心させて?」
「…う、うん…。僕もそうしたいのは、やまやまなんだけど…」

スザクの言葉がやけに歯切れが悪い。
そうしたいなら早くすればいいのに!
ルルーシュは、唇を尖らせた。

「なら、そうしろよ! …したいんなら、遠慮すること…」
「いや、遠慮じゃなくて、いやじゃないのかなって、思ってさ。ルルーシュが。だて、僕、こんな格好だから」
「こんな格好?」

いわれて、ルルーシュはまじまじとスザクを見た。
別にいつもとかわら…なくない。

「な、何それ…」
「えっと、セーラー服、かな?」

スザクは、膝上20センチ(推定)のミニ丈のセーラー服をきていたのだ。
髪型も少し違う。
なんだか、襟足が長いような?
ウィッグをつけているのだろうか?
ご丁寧に、スカートとお揃いの赤いカチューシャなんてしている。
さらに、薄い唇は、てかてかとグロスで光っていた。

いったい何が!?
これは悪夢だ。そうだ、夢に違いない。
ルルーシュは、震える手で自分のほおをつねろうとした。
したのだが、その時に気付いた。

「な、何これ…。俺、何きてるの?」

さっきまできていたものと明らかに違う服。
いや、服というよりは、ドレスだ。これは…見覚えがある。
そうだ、あのブティックで、ルルーシュが「もうどれでもいい」と適当に選んだドレスだった。
クラシカルなデザインの、ひと昔前の貴婦人がきるようなデザインのドレスだ。
色は、濃いめのロイヤルブルー。
適当に選んだのに、マネキンには「とてもお似合いですよ。お目が高いですわ!」と絶賛されたのだが、本当に似合っているのだろうか。
いや、そんなこと冷静に考えている場合では…。

「…ルルーシュ、大丈夫?」

心配そうにスザクが顔を覗き込んでくる。
心配してくれるのはありがたい。ありがたいが!

「なんでそんな格好してるんだよ!? スザク、何やってんの!? お前、誘拐されたんじゃなかったのか?」
「…誘拐、といえば、誘拐なんだけど…。なんというか…」

スザクがしどろもどろになったその時だった。
バタン、と部屋のドアが勢いよく開いた。
そして。

「あら、お目覚め? じゃあ、パーティの始まりね!」

思いもよらなかった人物が、そこに立っていた。
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プロフィール
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ルルーシュ@森田望愛
性別:
非公開
自己紹介:
ルルーシュやスザクになりきって、好き勝手書いてます。
個人の妄想による産物なので、その点ご了承下さいね。
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