色仕掛け 21

ルルたん、ちょっと冷静になってみる…。
ちょっと短いです。

今、スザクは何と言った？
『君の色気にはいつも酔わされている』とかなんとか…。

（そ、それじゃ、今までの俺の努力は一体…？）

まるまる無駄、ということになるのだろうか？
それはあんまりだ。
あんなに色々考えて…しかも、さんざんエッチなことをされたというのに…。
いや、待てよ…。

（…無駄にはならないかも）

自分の作戦は間違っていなかったのだと聞き、少しだけ自信を取り戻したルルーシュは、冷静に状況を見る。
『ルルーシュに夢中』とか『いつも色気を振りまいてる』だのという嬉しい言葉に心が浮き立つが、今は、ただ喜んでいる場合ではない。
（…といいつつ、いつもルルーシュを「子供だ」と馬鹿にするコーネリアに自慢してやろうと思った）

ちょっと回り道はしたが…色仕掛けが成功しているのなら、当初の目的だって果たせるかもしれない。
いや、かもしれないではなくて、果たすのだ！

「…スザク」
「…どうした、ルル？　機嫌直った？」

ん？　と覗き込んでくる翡翠の瞳と正面から目があい、ちょっとドキドキする。
そういえば、さっき、ルルーシュからキスして…スザクも返してくれたけれど、ちょっと物足りない。
ルルーシュは、目を閉じて、つんと唇を尖らせてみた。
一瞬の間をおいて、すぐに、ほしかったものが与えられる。
今度は、さっきよりも、もっと長く。
でも。

（…舌いれるやつがいいのに）

やっぱりスザクは鈍感だ。
本当に求めているものをくれないとは！