黒うさぎルルたんの日記
黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。
時々小説形式もあったりします。
禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。
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2007
ルルたんの「秘密」をテーマに、ちょっとだけ連載です。
しばらくおつきあい下さいv
しばらくおつきあい下さいv
ルルーシュが、特派でアルバイトを始めて三日が過ぎた。
かわいい弟をただそばにおきたかっただけのシュナイゼルは、ルルーシュにとにかく甘く、仕事をなかなかよこさない。
「まじめな仕事を渡さないなら、もうアルバイトにはこない!」とおどしたから、一応は仕事をまわそうとしているらしいが、どうやらシュナイゼルはここでは「お飾り的」な存在であるらしかった。
問いつめてみても、本人が多くを語りたがらないので、まだよく把握はできていないのだが。
「なあ、めがね。何か仕事はないか?」
「はあ、仕事ねえ…」
シュナイゼル関係の仕事は、もう終わってしまった。
終業時間までチェスをしよう、などとふざけたことをいう兄を、ルルーシュはびしっと叱りとばしてきた。
いくら人間界の不馴れなルルーシュとはいえ、スザクと一緒に暮らすうちに、人間界でのだいたいの相場というものは、しっかりつかんでいる。
その相場で考えると、ルルーシュのバイト代は、破格の金額なのだ。
それを仕事をせずにもらうなどとは、プライドが許さない。
さっきから見れば、ロイドは何かを忙しそうにコンピュータに入力している。
自慢ではないが、タイピングにはかなりの自信がある。
簡単なことなら、プログラミングだってできるルルーシュなのだ。
ほら、仕事をよこせ、とひらひらと手のひらを翻してみせるが、ロイドは「いや〜、これはもう終わったので」とそそくさとその場から逃げようとする。
ルルーシュはむっとする。
「お前、俺が仕事できないと思ってるのか? 俺は兄さまとは違うぞ」
「い、いや、そういうわけじゃなくて、ですね〜」
「何がどういうわけなんだ! はっきりしない男だな」
さらにごまかされて、いらいらする。
何がいけないというんだ?
優秀な人材が、一人あまっているというのに、使わない手はないじゃないか。
「おま…」
唇を尖らせ、さらに文句を言おうとしたところで、「ルルーシュっ」とちょうど入ってきたスザクが窘めるように名前を呼んだ。
「スザク!」
三時間ぶりの再会に、ルルーシュは顔をほころばせる。
出勤は一緒だったものの、今日は外勤だということで、スザクとは離れていたのだ。
もちろん、仕事にきている以上、いつもべたべたしているわけにはいかないとちゃんと分かっているけれど、それでも、顔が見えれば単純に嬉しくなってしまう。
満面の笑みを浮かべたルルーシュに、スザクもまた優しい笑顔を返す。
スザクも同じように思っていてくれたのだろうか。
そう思うと、やはりうれしい。
「おつかれさま、スザク。…ランチは一緒に食べられる?」
「午後にまた出かけるけど、しばらくはゆっくりだから、大丈夫…って、そうじゃなくて、ルルーシュ、駄目じゃないか。ロイドさんにあんな口をきいちゃ!」
め、とスザクが小さな子供を叱るように顔をしかめた。
きょとんとして、ルルーシュはスザクを見た。
なぜかスザクが顔を赤らめたのは、その表情があまりにかわいかったから、というのは、ルルーシュにはもちろん分かっていない。
「なんで?」
小首をかしげ、訊き返す様子は、スザクにとっては殺人的にかわいらしいのだが、本人はもちろん意識してやっているわけではない。
スザクは、こほん、とせき払いをすると、
「なんでって…だって、ロイドさんは一応目上なんだよ? 失礼だよ。めがねとか、おいとかってそんな…」
「一応」をつけるあたり、スザク自身、あまり敬っていないらしいことがばれてしまうのだが、本人は全く悪気がない。
ロイドは、「あはは」と特に気を悪くした様子もなく、
「いいよ〜、スザクくん。ここはさ、そういう堅苦しいのなしだし。それに、目上か目下っていったら、ルルーシュ殿下の方が、僕にとっては上だしねえ」
「え、でも…」
それとこれは話が別、と思うのだが、よくよく考えると、ルルーシュの直接の雇い主は、シュナイゼルであって、ロイドではない。
さらには、ロイドはシュナイゼルのパートナーなのだが…?
ということは。
「…なんか、複雑な関係なんですね」
「でしょう? だから、いいんだって。ね〜、殿下!」
ロイドの言葉にルルーシュは答えず、ちらとスザクをにらみ付けると、ぷいっと顔を背けてしまった。
「知らないっ」と唇を尖らせているのは、どうやらスザクにたいしてらしい。
「何おこってるの、ルル?」
「スザクが、俺よりめがねを大事にした!」
「ええ?」
ちょっぴりわがままな皇子様は、どうやらやきもちをやいてしまったらしい。
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