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黒うさぎルルたんの日記

黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。 時々小説形式もあったりします。 禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。 コメント頂けるとすごくうれしいです♪

   2024

0516
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   2009

0301
3/1の日記関連のSSです。
二人の日記を読んでからだとさらに楽しめるかと…v




「どうしたんだ? スザク? なんだか元気がないみたいだけど…」
ルルーシュがきゅんと首を傾げ、心配そうに僕を見た。
「…う、うん…。その…」
「本当に…どうしたんだ? 疲れてるんじゃないか? 俺からロイドに、あんまりこき使うなって言ってやろうか?」
ルルーシュはベッドに腰を下ろし、おいでおいでと手招くと、膝枕をしてくれた。
細い指が柔らかく髪を梳る。
ルルーシュはくすくすと笑う。
「…何だい?」
「やっぱり元気ないみたいだ。髪の跳ねかたにも元気ないから」
「…そうなのかい?」
初耳だ。
元気がないと髪の跳ねかたが違ってくるとは。
「一応、毎日鏡見てるけど、そんなの気づかなかったなあ…」
僕がそう呟くと、ルルーシュはへへんと自慢気な顔をした。
「当たり前だろう。…そういうちょっとした変化がわかるのは、伴侶だけだなんだから。…その、…ええと…、あ、愛の差だな!」
最後の方は照れくさそうに、耳まで真っ赤にして。
手をのばし、細い顎に触れる。
輪郭を確かめるように指でなぞると、気持ち良さそうに顎を傾けてくる。
「…あのさあ…ルル」
「ん? どうした?」
元気がないのは、ルルーシュのせいなんだけど…。
「愛」という言葉が出てきたし、この際、訊いてしまおうか。
「…あの、…昼間、シュナイゼル様といちゃいちゃしてたの、僕、見ちゃったんだけどさ…あれは…」
「…え、…スザク、見てたのか? あれを…?」
困った、というよりは、嫌そうな顔をする。
「…あれは、…俺の奥の手なんだ。…欲しいものがある時は、プライドも何もかもかなぐり捨てる必要が…」
「…欲しいもの? 何か、買ってもらいたかったの?」
隠さなかったことに、安堵する。
僕は少し元気づけられて、訊いてみた。
ルルーシュは「…うん」と、小さく頷く。
「…何が欲しかったの? そんなの…僕にねだればいいじゃないか。何も、シュナイゼル様じゃなくて…」
拗ねてしまう。
弟が兄におねだりをするのは、そう珍しいことではないかもしれない。
けど、出来るなら、あまりしないでほしいんだ。
甘えるのも、おねだりするのも、僕だけにしてほしい。
そう思ってしまうのは、わがままなんだろうか…。
「…僕だって、今はそれなりにお給料貰ってるよ。だからさ…」
「べ、別にっ…スザクがあてにできないなんて思ってるわけじゃないぞ!?
ただ、俺は、シュナイゼル兄上はどうせ金持ちなんだし、普段、兄上にはさんざんこき使われてるんだからと思って…」
ルルーシュは慌てて言った。
「…バ、バレンタインだってさ…。兄上が、残業言いつけるから、チョコレート買いに行けなかったわけだし…。その仕返しだって」
ルルーシュは探るような目で僕を見た。
「ごめん。お前がそんなに気にするとは…。っていうか…俺は、あんな場面をお前に見られたかと思うと…恥ずかしくて、恥ずかしくて…!」
何かを思い出したのか、ルルーシュはうわああと声をあげて、両手で顔を覆ってしまった。
あんな場面って…何だろう?
僕は、ちょっとしか見ていないので…実は細かいことはわかっていないんだ。
「…あの…ルルーシュ」
「…言うなっ…! あれは、俺じゃないんだ! 仮面をかぶった俺だと思ってくれ! 高級ミシンがどうしても欲しくて、仕方なかったんだ…!」
「…ミシン?」
僕が訊きかえすと、ルルーシュは、うん、と小さく頷いた。
「ミシンはいいものだと結構高いんだ。でも…どうせなら、最高級のものを買う方がいいし…」
「ミシンなんて、僕が買ってあげるのに…」
欲しいものがあっただけ。
そのために、甘えたんだって。そう聞いて、少しほっとした。
ルルーシュは可愛いのに、時々、ひどく打算的だ。
多分、僕以外の人の前では。
拗ねて唇を尖らせると、ルルーシュは指先でつんとつついて、「お前の給料は生活費と老後の貯金だから、余分なものは買わないの!」としっかり者の主婦のようなことを言った。
「…老後って…僕の」
「馬鹿。俺とお前に決まってるだろ。二人分ためるんだから大変なんだ」
「…うん、そうだね」
二人分。
その言葉に、気持ちが急上昇する。
自分でも現金だと思うけど、将来への約束がまた貰えたようで嬉しかった。
さっきまでの落ち込んだ気分は嘘のようになくなっていく。
気持ちのいい風が、暗雲を吹き飛ばしてくれたみたいだ。
元気になったから、僕はちょっと甘えてみることにした。
「ねえ、ルルーシュ」
「なんだ?」
形のいい唇に触れ、二度、つつく。
「指じゃなくて、…別のものが欲しいな」
そうして、僕は、望み通り、優しくて甘いキスを貰うことに成功した。
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プロフィール
HN:
ルルーシュ@森田望愛
性別:
非公開
自己紹介:
ルルーシュやスザクになりきって、好き勝手書いてます。
個人の妄想による産物なので、その点ご了承下さいね。
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