忍者ブログ

黒うさぎルルたんの日記

黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。 時々小説形式もあったりします。 禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。 コメント頂けるとすごくうれしいです♪

   2024

0503
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

   2008

0711
長く間があいてしまいましたが、また頑張ってみようと思います。
ちょっと生活に変化を…。


「ルルーシュ、そっちの荷造り終わった?」
「…まだ」
「…まだって…君、全然手を動かしてないじゃないか。いくら荷物が少ないっていっても…間に合わなくなっちゃうよ? 明日ここ出るんだから」

ふと覗き込むと、ルルーシュが担当するはずのクロゼットの整理が全く終わっていない。
明日の午前中には、友人のリヴァルがトラックで来てくれることになっている。
何としても、今日中に荷造りを終えなければならないのに、こんな調子では困るではないか。

「…ルル、ちょっと真面目に…」
「真面目にやってるもん! も、ものが多いから終わらないんだっ」

唇を尖らせ、ぷいっと顔を背ける。
どこが真面目にしてるんだか…。
ものが多いというのも、もちろんただの言い逃れだ。

一人暮らしだった頃よりは、ものは増えているが、二人分あわせても、クロゼットの中身はかなり少ない。
それは、スザクもルルーシュも、ものに対しての執着が全くといっていいほどないからだ。

(…女装グッズがあれば、まあ…すごいことになったんだろうけど)

以前、先輩のセシルがくれた女装グッズ。
とある事件で、女装したルルーシュがとにかく可愛かったから、とセシルが厳選した衣装をたっぷり送ってくれたことがあった。

あれはすごかった。
ありとあらゆる種類の服が送られてきて、クロゼットに入らないほどだったのだから。

結局、怒ったルルーシュが全てネットオークションに出してしまったのだが…。

「…ねえ、ここより広いところに行けるのに何が不満なんだい? 何となくだけど…引っ越しがきまってから、不機嫌だよね?」
「…けーわいのくせに、よく気づいたな」

返された言葉に苦笑する。
「けーわい」とは、KY。
空気が読めないということの造語らしい。

ネットサーフィンが好きなせいか、時々おかしな言葉を覚えてきては、スザクを翻弄するのだ。

「…僕は、ルルーシュのことには敏感なつもりだけど?」

いつまでも顔を背けたままなので、身体を移動して、正面にまわった。
すると、ふい、と今度は逆の方向に顔を背ける。
またも身体を移動して正面にまわる。
同じ事を繰り返す。

何度かそんなことをしていると、首をひねったらしく、「痛い」と涙目になった。

「…僕に意地悪するからだよ。ほら、おいでよ」
「い、意地悪なんてしてないっ」

相変わらず口答えしてくるものの、素直に身体を寄せてきた。
ひねった場所を優しく撫でてやりながら、柔らかな髪にキスをする。
唇をさらに頬に移動しようとすると、「埃っぽくなってるからやめろ」と抵抗された。
とんでもない意地っ張りだ。
本当はキスしてほしいくせに。
さっきよりも、顔の位置が内側に入っているのはその証拠ではないか。

「ほとんど片付けしてない君が、埃っぽいはずないだろ?」
「…してなくも、ない」

図星らしく、もごもごと口の中でそう呟いた。
が、それ以上、返す言葉もないらしい。

「質問に答えて? …僕が君の気の触るようなこと、したのかな?」
「…スザクがっていうか…」

何やら歯切れが悪い。
あまりにこんな状態が続くと、少しばかり不安になる。
ぎゅっと抱きしめると、「痛い」とルルーシュが声をあげた。

「…ねえ、…まさかと思うけど…僕と離れて暮らしたくなった、とかじゃない、よね…?」

言葉にして、思わず泣きそうになった。
もし、頷かれたらどうしよう。
だが、ルルーシュから返ってきたのは、「馬鹿、そんなわけないだろっ」という叱責にも似た叫びとだった。

「いつまでも一緒にいたいに決まってるだろ、馬鹿…。一緒にいたいから、引っ越ししたくないんだっ」
「…え?」

意外な答えだった。
どういうこと、と訊ねると、ルルーシュはもじもじしながら、


「…だって、お前…新しいとこでは、部屋分けるって…。お、俺は…いつも、お前と一緒がいいのに、ベッドをわけるなんてあんまりだ! …お、俺にあきたってこと…」
「ええ? 何言ってるんだい、ルルーシュ? ベッドは一緒に決まってるじゃないか!」

何がどうなってそんな話になったのか?
ベッドを別々にするなんてとんでもない!

「僕は、趣味の部屋とベッドルームに分けられるね、って言ったんだよ? 今まではほら…パソコンも、ベッドも…何もかもいっしょくたで落ち着かなかったから…」
「へ…?」

鳩が豆鉄砲を食らったような顔で、ルルーシュはこちらを見た。
小首をかしげ、「そうなのか?」と呟く。

今の部屋は、ワンルームだ。
それは、以前はスザクが一人暮らしだったからなのだが、ルルーシュがきてからはやはりワンルームでは少々手狭だなと思うことが多かった。

別にふれあう距離が嫌だというわけではない。
むしろそれは大歓迎なのだが、この狭さでは人を呼ぶことも厳しい。

このたび、少しばかり昇進したこともあり、思い切って2LDKの部屋を借りることにしたのは、そのせいもあった。
ルルーシュの妹たちーナナリーとユフィも、今は、人間界にきている。

時には、彼女たちも遊びにくることがあるだろう。
そんな時、もう一部屋あれば、きょうだい水入らずで過ごせるのではないかとそう思ったのだ。

ルルーシュはきっと、そんなことかまわないと言うだろうが、せっかく遊びにきたのに、スザクの遠慮するようでは、彼女たちがかわいそうだ。
それに、何だかんだといっても、ルルーシュもその方が落ち着くだろうし…。

「じゃ、じゃあ…俺のことが嫌になったからじゃなくて…」
「そんなこと、悪いけど、絶対にありえないよ?」

こんなに好きなのに、嫌になるなんてあるわけない。
重ねて強く言うと、ルルーシュは感激した様子で、目を潤ませた。

「…よかった、…お、俺…スザクが、もう俺とは一緒にいたくないから、広いところに引っ越すのかと…。じゃあ、…今まで通り、一緒に寝る?」
「もちろん。…今度は、お風呂広いから、お風呂だって一緒だよ?」

趣味の部屋とベッドルーム。
分けるには分けるが、ルルーシュがネットサーフィンしている時も、スザクはそばを離れないつもりだし、基本的に、家の中で離れるつもりはない。

唯一例外はトイレだろうが…。

スザクの言葉ににこにこしながら、ルルーシュは、「じゃあ、早く片付けしなくちゃ!」と俄然張り切りだした。

「ほら、スザク。さぼったら駄目!」

腕の中からするりと抜け出すと、そんなことを言いながら、てきぱきと手を動かし始めた。

まったく現金なものだ。

スザクは苦笑しつつも、ルルーシュの可愛らしい勘違いにあたたかい気持ちになった。


(おわり)




PR
Post your Comment
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
ルルーシュ@森田望愛
性別:
非公開
自己紹介:
ルルーシュやスザクになりきって、好き勝手書いてます。
個人の妄想による産物なので、その点ご了承下さいね。
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カウンター
バーコード
忍者ブログ [PR]

Powered by Ninja.blog * TemplateDesign by TMP