黒うさぎルルたんの日記
黒うさぎ・ルルーシュの生活記録です。
時々小説形式もあったりします。
禁・無断転載/引用。禁・サ○ライズでお願いします。
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2007
「秘密」の後日談です。
「絶対ヤダ!」
ルルーシュが、これでもか、というくらいに目を吊り上げた。
唇をむーと尖らせながら、こちらをちらりと見る。
恨みがましい目を僕に向けられても困るのだが…さっきの一言で、ルルーシュは全面的に僕が悪いと考えているらしい。
「…ルル、でも…その、仕方ないよ。だって、この子たち…」
「この子ではない! ジェレミア・ゴットバルトだっ」
ちゅー!という叫び声とともに、鋭い切っ先が僕の手の甲をちくんと突き刺す。
軍の訓練は結構厳しいから、僕の手の皮は、普通の人よりも硬くなっている。
掌なんて、マメがいっぱい出来てつぶれて…の繰り返しだから、やわさが全くなくなってしまった。
別にそれ自体はどうでもいい…というか、僕は男だし、軍人だから、気にすることでもないんだけど。
いや、つまり、僕が言いたいのは、突き刺している相手が僕だから平気だけど、それ以外の人にやったら、確実に怪我をする、ということだ。
僕は、すぐ側でバタバタと暴れているジェレミアさんをつぶさないように細心の注意を払いながら握り揚げると、ぐっと視線を合わせた。
ちなみに、ジェレミアさんというのは、自称ルルの親衛隊らしく、魔法の力がうまく出せないがために、今は、半ハムスターの姿になっている。
ジェレミアさんとぐっと視線を合わせ、僕は言った。
「いいですか、ジェレミアさん! 僕だからいいですが、他の人にやったら、確実に怪我をしますよ!
もし小さな子供相手だったりしたら、大怪我をおうかもしれません。色々といいたいことはあるでしょうが、ここは人間界なんです。その剣に誓って、二度と人間を攻撃しないと誓ってください」
案の定、ジェレミアさんはくわっと目を見開く。
「な、ななな! 人間風情が、何を言うかっ! だいたい、剣に誓えと…! 貴様には、剣の道もなんたるかなど、わかるはずがない…」
「分かりますよ。僕、これでも、剣道をかじってましたから。それに、その人間風情っていうの、結構失礼ですよ」
「私に説教など…」
「説教じゃなくて、注意です」
妖精というのは、見た目の年齢よりも、実年齢はかなりいっているようだが、ジェレミアさんの場合はいくつなんだろう。
おそらくは、僕よりも全然年上なんだろうけど…でも、間違っていることは仕方ない。
とりあえず、ジェレミアさんが黙ったので、今度はルルの方に向かう。
「ルル。ルルも我侭言わないで。ジェレミアさんたちは、泊まる場所がないんだよ? 君の親衛隊だっていうし、仕方ないじゃないか」
「…ヤダ。そんなの関係ないもん。…スザクは、俺よりもそのハムたちの方が大事なのか?」
かすかに瞳を潤ませて、ルルーシュが恨みがましい視線を向ける。
登場時には、「ねずみ」と言っていたから、「ハム」になっただけ、進歩があったということだろう。
ジェレミアさんたちは「ハム」という呼び名をあまり気に入ってはいないようだが、何しろ皇子の言うことだから、逆らうことは出来ないんだろう。
「ルルより大事なものなんて…あるわけないだろ。どうしてそんなこと言うの?」
「だって…」
困ったなあ。どうして、こんなにぐずるんだろう?
確かに…僕の部屋はそんなに広くないけど…ハムスター二匹くらいなら、大丈夫だと思うんだけど。
ルルーシュは、しばらく考えこんで、「…鈍感」と一言呟いて、シュナイゼル様の方へと行ってしまった。
あの人、なんでこんなところにいるんだろう?
自分の部屋があるのに…。
わざわざ、特派の控え室になんている必要ないだろうに。
ルルがこっちに来てるからって、ずっとあんなところに座ってるんだもんな。
大体、イスがでかいよ。
この部屋狭いのに。
そんなことを考えていると、ルルがシュナイゼル様に何かを囁き、にこにこしながら、彼の頬へキスをした。
そ、そりゃあ…兄弟だからさ。
キスくらいどうってこと…。ほっぺただし。
だけど、何も僕の前ですることは…。
にこにこしながら、僕の元に帰ってきたルルーシュは、僕の腕に自分のそれを絡めると、「じゃあ、帰ろう!」と促す。
「自分たちもっ」とこちらについてこようとするジェレミアさんとヴィレッタさんを、いつの間にか側にきていたシュナイゼル様が、「君たちはこっちだよ」と強制連行した。
あれ? あれれ?
「…あ、あの…ルル? シュナイゼル様に何を…」
「…ん? 帰ったら、スザクと勉強するから、邪魔にならないようにハムたちを預かってって頼んだ」
勉強?
一体、何の勉強を…?
物問いたげな視線を投げた僕に、ルルーシュはまたも「鈍感」と呟き、そして、さらに続けた。
「…ハムたちがいたら、エッチできないじゃん。…スザクは、「夫」の義務を放棄する気なのか?」
夫の義務…。
そうくるか。
僕は苦笑しつつも、ルルーシュに返した。
「…妻の義務、やる気満々だね」
「そうだ! 今夜は寝かさないんだから!」
えへん、と勇ましく胸を張ったルルーシュだが…当然、寝かさなかったのは、僕の方だった。
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